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歯周病の原因は?歯周病にならないためのポイントも解説

歯周病の原因は?歯周病にならないためのポイントも解説

歯周病は、古くは紀元前のエジプト時代のパピルスに記載があるほど、かなり古い時代から人類を悩ませてきた病気です。
歯周病が発見されて以来、長らく原因がわからなかったので、人類にとって対症療法でしかできない厄介な病気でした。ところが、20世紀に入ってから歯周病の原因の解明が進み、歯周病を予防する方法までわかるようになりました。
では、歯周病の原因にはどういったものがあるのでしょうか?

この記事では、人類を長年悩ませてきた歯周病の原因と予防法などについてわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、「どうして歯周病になるのか」や「歯周病にならないためにはどうすればいいのか」などが理解でき、下記のような疑問や悩みが解決します。

この記事でわかる事

  • 歯周病になるのはどうしてなのか
  • どのような人が歯周病になりやすいのか
  • 歯周病になるとどうなるのか
  • 歯周病を防ぐことはできるのか
  • 歯周病を防ぐにはどうするのがいいのか

歯周病の原因

まず最初に歯周病の原因から解説します。
歯周病には、直接的な原因に加え、歯周病を発症するきっかけとなるリスクファクターとも言える間接的な原因があります。

直接的原因

直接的原因には次のようなものが挙げられます。

歯周病菌

歯周病の直接の原因は、歯周病菌と呼ばれる細菌です。
歯周病菌は何百種類もありますが、その中でもフォルフィロモナス・ジンジバリス、タンネレラ・フォーサイセンシス、トレポネーマ・デンティコラの3種が強く関連しています。
これらを総称してレッド・コンプレックスと呼んでいます。
この他に、プレボテラ・インターメディア、アクチノバチラス・アクチノミセテムコミタンスなどの細菌も関連性が高いと言われています。

プラーク

プラークは、歯の表面についている白いカスのような付着物です。
プラークの正体は、細菌の集合体で1㎎の中に1億以上もいると言われています。
歯周病の原因菌もプラークの中にいます。歯の表面にプラークがついてたら、歯周病菌もそこにいると思って間違いありません。
このことから、プラークも歯周病の原因として挙げられています。

間接的原因

間接的原因には次のようなものが挙げられます。

お口の環境

お口の中にプラークの温床となるものがあると、歯周病の引き金になります。
具体的には、歯石や合い具合の悪い被せ物や詰め物、歯列不正などです。

生活習慣

睡眠不足や運動不足、喫煙、ストレス過多など日常の生活の中にも歯周病のリスクファクターとなりうるものがたくさん潜んでいます。

全身状態

睡眠不足やストレスなどにより免疫力が低下すると、歯周病菌を抑える免疫力が低下します。
糖尿病などの全身的な病気も、リスクファクターに含まれています。

歯周病になりやすい人

歯周病菌は、日本人の成人の80%以上が持っていると言われていますが、全ての人が歯周病を発症するわけではありません。
歯周病になりやすい人の特徴を紹介します。

歯磨き習慣がない

歯周病の発症には、歯周病の原因が潜むプラークが大きく関係しています。
プラークを取り除くプラークコントロールの基本は、食後の歯磨きです。歯磨きをする習慣がないと、プラークがついたままになるどころか増加する一方なので、歯周病の発症リスクが高まります。
お酒を飲んだ後、歯を磨かずそのまま寝てしまうと言う方も要注意です。

歯磨きがきちんとできていない

歯磨きをしていても、きちんと磨けていないとプラークは残ったままになります。
歯周病は、歯と歯の間から発症しやすい傾向があります。歯と歯の間、そして歯の付け根付近のプラークをしっかり取り除けていないと歯周病が発症しやすいです。

喫煙習慣

タバコを吸うと、歯肉をはじめお口の粘膜の血管が収縮し、血液の流れが悪くなります。
歯周病菌を抑える白血球だけでなく、歯周病で傷んだ歯周組織を治すために欠かせない栄養や酸素も細胞に届きにくくなります。
このため、歯周病を起こしやすいだけでなく、歯周病の進行も早くなってしまいます。

歯ぎしりや食いしばりをする

歯ぎしりや食いしばりをすると、歯を支える歯周組織に負荷がかかり、歯槽骨の吸収を促進されてしまいます。こうしたことから歯ぎしりや食いしばりは、歯周病を悪化させる要因とされています。
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、そうでない方と比べて歯周病になりやすくなります。

歯並びが悪い

歯並びが悪いと、歯磨きがしにくくなります。
歯磨きがしにくいと、プラークコントロールがしにくくプラークが増加するので、歯周病の発症リスクが高まります。

虫歯を放置している

虫歯になると、歯の表面に穴が開いたり、窪みが生じたりします。穴や窪みの部分は歯磨きしにくく、プラークが残りやすいです。
虫歯を放置している人は、虫歯の進行に加え、歯周病のリスクも高まります。

口呼吸

ヒトの呼吸は、鼻からするのが正しい姿です。
口でも呼吸できるにはできるのですが、口呼吸をすると唾液が蒸発し、お口の中が乾燥します。
唾液には、細菌の活動を抑える抗菌作用、汚れを洗い流す洗浄作用などがあります。傷を治す創傷治癒促進作用もあります。
口呼吸をすると唾液が蒸発して、これらの作用も得られなくなるので歯周病菌が増加します。歯周組織のダメージも回復されにくくなります。
このため、口呼吸をしている方は歯周病になりやすい傾向がみられます。

糖尿病

糖尿病は、私たちの持っている免疫力を低下させます。
免疫力が低下するので、歯周病菌の活動を抑えづらくなります。しかも、歯周病が悪化すると、糖尿病に深い関係があるインスリンというホルモンにも悪影響がでて、糖尿病が悪化します。
糖尿病と歯周病は、お互いがお互いを悪くしあう困った関係にあり、糖尿病の方は歯周病になりやすいです。

歯周病の症状

歯周病の症状について、初期症状から末期症状まで分けて説明します。

初期

歯周病の初期段階は、歯肉炎です。
歯肉炎の症状は、歯肉の腫れや出血などの歯肉の炎症です。言い方を変えれば、歯周病は歯肉の腫れや出血から始まります。
特に腫れやすいのが、歯と歯の間の歯肉です。歯磨き時の出血により気づく方が多いです。歯肉からの出血を認めたら、歯周病の初期症状かもしれません。

中期

歯肉炎の次の段階を歯周炎と言います。
歯周炎になると、炎症の範囲が歯肉から歯を支える歯槽骨など歯周組織全体に広がります。歯槽骨が吸収されて減ってくるので、歯と歯肉の隙間である歯周ポケットが徐々に深くなり、歯が少しずつ動きはじめます。
歯周炎になれば、歯周病が中期に進んだと考えていいでしょう。

末期

歯周炎が悪化すると、歯の動きがさらに増します。歯が前後左右に加え、上下方向にも動きはじめます。歯肉の腫れも強くなり、痛みに加え、膿が出てくることもあります。
レントゲンを撮影すると歯槽骨がなくなるため、歯の周りが黒い影で覆われています。ここまで歯周病が進むと、残念ながら歯周病になった歯を抜かなければならなくなります。

歯周病を防ぐポイント

歯周病が進むと、最終的には歯が抜けてしまいます。
歯周病にならないようにするには、どうすれば良いのでしょうか。
歯周病の予防対策について、ポイントごとに分けて簡単に説明します。

毎食後の歯磨きの習慣化

まず、歯周病を防ぐために取り組みたいのが、毎食後の歯磨きの習慣化です。
歯磨きは、1日1回だけ磨いていればいいのではありません。「食べたら磨く」これを習慣化しなければなりません。朝昼夕食に加え、間食をしたら、その後も磨くようにしてください。

丁寧な歯磨き

続く歯周病を防ぐポイントは、丁寧な歯磨きです。
実は、ただ歯ブラシを歯に当てているだけではダメです。歯周病は、歯と歯の間の歯肉から発症しやすいのですが、この部分には歯ブラシは届きません。歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯と歯の間もきれいに磨くようにしてください。

歯周病予防効果のある歯磨き剤

歯磨き剤には、さまざまな薬効効果のある成分が含まれています。歯周病予防に効果のある薬効成分のある歯磨き剤を選ぶのも、歯周病予防のポイントのひとつです。
具体的には、歯周病菌を殺菌するCPC、IPMP、LSS、炎症を抑えるトラネキサム酸やグリチルリチン酸、歯石を防ぐゼオライト、血流をよくするビタミンEなどです。これらは一例ですが、歯周病予防効果のある歯磨き剤を使って歯磨きするのもおすすめです。

定期的な歯のクリーニング

歯ブラシに加え、歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯を磨いていても、残念ながら磨き残しはあるものです。しかも、プラークが古くなって石のように硬くなった歯石は、歯ブラシでは取り除けません。
そこで歯科医院に定期的に通って、歯石やプラークを取り除く歯のクリーニングを受けてください。歯のクリーニングを受けると歯の表面までピカピカになり気持ち良いだけでなく、プラークもつきにくくなり、歯周病予防にとても効果的です。

ブラッシングの練習

歯の形、大きさ、並び方は、同じ人は一人としていません。このため、歯磨きの仕方もひとりひとり異なります。
そこで歯科医院では、受診された方ひとりひとりに合った歯ブラシや歯間ブラシなどの歯磨きグッズをご提案したり、効果的な歯磨き方法をご説明しています。

食習慣の見直し

食習慣の見直しも、歯周病予防のポイントのひとつです。栄養バランスの見直しがイメージされると思いますが、それだけではありません。
ダラダラと食べるとプラークがつきやすくなるので、規則正しく食べるようにしましょう。また、食べ方もしっかり噛んで食べるようにしましょう。

喫煙習慣を止める

タバコを吸っている方は、禁煙に取り組んでください。
禁煙と口で言うのは簡単ですが、実際はなかなか難しいと思います。そこで、ご自身での禁煙が難しい方は禁煙グッズを試したり、医療機関の禁煙外来を受診してみたりするのもおすすめです。

歯ぎしりや食いしばり対策

歯ぎしりや食いしばりの癖のある方は、そのまま放置しているのはよくないです。歯ぎしりや食いしばりの癖には、マウスピースや薬を使った治療が行われています。
これらの癖のある方は、歯科医院で一度相談してみてください。

歯周病が疑われたときは

歯周病予防に取り組んでいても、歯周病になることもあります。
もし、ご自身で歯周病かなと思ったときは次のように対処してみてください。

セルフケア

歯磨きのときの出血程度なら、歯磨きを丁寧にしていただくと歯肉が引き締まり、自然と落ち着いてくることが多いです。
セルフケアで改善しない歯肉からの出血は、歯科医院で診てもらうようにしましょう。

歯科医院の受診

歯肉からの出血以外に歯肉から膿が出る、口臭がする、歯肉が痩せている、歯がグラグラするなどの症状があれば、歯科医院で検査してもらった方が良いでしょう。

歯周病の治療法・治し方の種類と流れは?自分でも治せるのかも解説

【まとめ】歯周病の原因は?歯周病にならないためのポイントも解説

歯周病の原因や歯周病にならないためのポイントを解説しました。
この記事では、下記のようなことがご理解いただけたのではないでしょうか。

この記事の要約

  • 歯周病の原因は、歯周病菌と歯周病菌が隠れているプラーク
  • 歯周病にはリスクファクターがあり、お口の環境や生活習慣、全身状態が当てはまる
  • 歯周病になりやすい人は、歯磨きに問題がある人や喫煙者、歯ぎしりなどの癖のある人など
  • 歯周病を防ぐポイントは、歯磨きの改善、歯科でのクリーニング、禁煙、食習慣の見直しなど
  • それでも歯周病が疑われた場合は、歯肉からの出血ならセルフケア、それ以外なら歯科医院の受診

歯周病は、数千年にわたって人類を悩ませてきた病気です。
長らく原因不明の病気でしたが、20世紀に入り歯周病の原因が明らかになり、予防法も判明しました。
歯周病の予防や発症した場合の治療には歯周病の専門的な知識に加え、治療経験や技術も不可欠です。

南青山パーソン歯科では、歯周病治療の実績が豊富にある歯科医師が在籍しております。歯周病に不安のある方、お悩みの方はぜひ当院にお越しください。歯科医師が丁寧に対応させていただきます。

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