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虫歯を放置するとどうなる?放置リスクと症状を解説

虫歯を放置するとどうなる?放置リスクと症状を解説

虫歯は、ストレプトコッカス・ミュータンスに代表される口腔内の乳酸菌によって引き起こされる歯の疾患の一つです。乳酸菌の産生する乳酸により歯の硬組織が脱灰されることから発生し、不可逆的に進行し、進行状況によって多彩な症状を呈します。
では、この虫歯を放置するとどうなるのでしょうか?

この記事では、虫歯を放置リスクについて解説いたします。
この記事を読むことで、虫歯の進行とその症状が理解でき、下記のような疑問や悩みが解決します。

この記事でわかる事

  • 虫歯はどのように進行するのか
  • 虫歯は自然に治ることはあるのか
  • 虫歯は進行するにつれて、症状がどのように変化するのか
  • 虫歯を放置しているとどうなるのか

放置した虫歯の経過

虫歯はC1からC4までの4種類に分類されていますが、放置しているとおおむねこの分類方法にしたがって進行していきます。
基本的に虫歯の進行は不可逆的で、放置していても自然治癒することはありません。

C1

C1は、歯冠を覆うエナメル質に生じた虫歯です。
大人の虫歯とも言われる根面齲蝕を除き、ほとんどの虫歯はまずC1から始まります。歯の大部分を構成し、エナメル質に守られている象牙質にはまだ虫歯は進んでいません。

C2

C2は、エナメル質の直下の象牙質にまで進んだ虫歯です。
象牙質はエナメル質よりやわらかいので、虫歯の進行が早いです。エナメル質の穴が小さくても、虫歯が内部で広がっていることも珍しくありません。

C3

C3は、歯の神経とよばれる歯髄にまで進んだ虫歯です。
C2のあたりまでは無痛か軽い痛みでしかなかった虫歯が、C3に至ると強い痛みに変わります。

C4

C4は、歯冠がほとんどなくなり、歯根だけになってしまった虫歯です。
歯根だけになると、痛みを感じることはできなくなります。

放置した虫歯の症状経過

虫歯の症状は多彩です。
進行状況によって、さまざまな症状を示します。

齲窩の拡大

齲窩は、虫歯の穴です。
エナメル質に生じた齲窩が進行に伴い、徐々に拡大します。
エナメル質に認められた齲窩が小さくても、歯冠の内部で大きく広がっていることも多いです。

疼痛の発現

虫歯は発生段階では疼痛所見はありません。
最初は違和感から始まり、徐々に冷水痛などの疼痛症状に発展していきます。歯髄近辺にまで進行すると歯髄炎を生じ、強い自発痛を認めるようになります。

疼痛の消失

歯髄炎で生じた自発痛も、放置していると次第に軽減していきます。これは、歯髄組織が壊死していくためです。自発痛が消失していくため、治っていくように勘違いすることもありますが、実情はさらなる悪化以外でしかありません。

歯肉腫脹と咬合痛の発現

自発痛が消失した虫歯の内部では細菌感染が拡大します。やがて、壊死した歯髄組織が存在していた根管という腔洞の中では収まりきらなくなり、根尖から細菌が歯周組織へと進出します。すると、歯根の先に根尖病巣を形成し、歯肉が炎症を起こし腫脹し始めます。
また、歯に何かが当たったときに痛みを感じる咬合痛も生じますし、炎症症状が強い場合は、自発痛も再発します。

歯冠の崩壊

歯冠の大部分が虫歯になると、歯冠の構造が支えきれなくなり、歯冠が崩壊します。すると、歯根が残るばかりになります。
咬合関係を喪失した虫歯の歯は、挺出しつつ、歯根さえも徐々に失われていきます。

虫歯を放置する危険性

虫歯を放置すると、さまざまな症状が現れ、症状によっては生命の危険を伴うこともあります。

治療の複雑化、困難化

虫歯の治療法は、早い段階ほど単純です。
例えば、C1ならコンポジットレジンというプラスチック材料で詰めるだけで治療が終わります。C3に至ると、歯髄を除去する麻酔抜髄という処置が必要になりますが、その後はクラウンで修復しなければならないので、治療期間が大幅に伸びます。
また、大臼歯の抜髄は困難ですし、歯髄が壊死した後の感染根管処置は根管内部を無菌化しなければならないので、抜髄より一層困難です。C4になれば抜歯するほかありません。
このように、虫歯治療は進行すればするほど困難になります。

予後の悪化

虫歯で失われた歯質は人工材料で修復して治療しますが、虫歯を放置していると歯質が徐々に喪失していきます。歯肉縁下まで虫歯が進行すると、修復しようにも印象採得が困難になり、修復治療の適用外となりますし、歯根が脆弱になるため、歯根破折のリスクも高まります。
また、虫歯を放置している間に、残存歯質に虫歯の原因菌が侵入します。歯髄を喪失するまでに至った虫歯の歯の根管内部は、免疫系の作用の及ばない腔洞となるため、無菌化が困難となり、根尖病巣を反復して形成することがあります。

膿瘍形成

組織内部に膿が貯留した状態を膿瘍といいます。
虫歯が進行し、根尖部に形成された根尖病巣も膿瘍形成の原因のひとつです。膿瘍内部には白血球や原因細菌の死骸、滲出液、破壊された組織などが含まれています。

蜂窩織炎

炎症の波及方向は、解剖学的に抵抗が少ない方向や組織隙です。
口腔領域には、舌下隙、顎下隙、オトガイ下隙、頬部隙など、多くの組織隙があります。炎症が組織隙に波及し、広範囲に進行し、皮下組織に広がった状態を蜂窩織炎と言います。

副鼻腔炎

虫歯の炎症の隣接臓器への感染拡大として多いのが、副鼻腔炎です。
副鼻腔は、上顎洞、蝶形骨洞、篩骨洞、前頭洞という頭蓋骨の腔洞の総称で、副鼻腔炎はそこに起こった炎症性疾患です。特に上顎洞に起こったものを上顎洞炎といい、上顎の虫歯の根尖病巣が上方へ拡大すると比較的容易に発症します。

顎骨骨膜炎

虫歯の根尖病巣などの炎症巣が拡大し、骨膜に沿って拡大したものを骨膜炎といいます。
骨膜炎は骨膜以外、例えば骨髄などを障害することなく炎症が拡大したもので、実際のところ骨膜炎だけというケースはほとんどありません。

顎骨骨髄炎

骨膜炎が拡大すると、炎症の中心が骨髄に移行し、骨髄を広範囲に障害します。この状態を骨髄炎といいます。
急性顎骨骨髄炎では、激しい自発痛、高熱、オトガイ部や下口唇の知覚鈍麻や知覚異常、咬合痛など4つの主要所見を認めることが多いです。

瘻孔形成

瘻孔は、虫歯の根尖病巣からの排膿口です。口腔内にできる内歯瘻と、口腔外にできる外歯瘻に分けられます。
内歯瘻は原因歯の抜歯で治癒できますが、外歯瘻は原因病巣の除去で自然治癒しない場合は、瘻孔切除術をしなければならないこともあります。

ガス壊疽

ガス壊疽はガス産生菌により生じる感染症で、組織内にガスの貯留が認められます。壊死性軟部組織感染症のひとつに分類されています。
虫歯の根尖病巣の中にいる嫌気性菌が原因となり、ガス壊疽を引き起こすことがあります。ガス壊疽は早期に適切な処置を行わないと、急速に重篤化するのでたいへん危険です。

壊死性筋膜炎

壊死性筋膜炎も壊死性軟部組織感染症のひとつですが、ガス産生像を認めません。
歯性感染症の場合は、偏性嫌気性菌が原因であるtypeⅠが多く、筋膜に沿う形で拡大し、筋組織には及ばないのが特徴です。頭頸部領域の壊死性筋膜炎は、全壊死性筋膜炎の3〜4%ですが、死亡率が高い傾向が見られます。
頭頸部領域の壊死性筋膜炎の原因の半数以上が、歯性感染症といわれています。

DIC

DICは播種性血管内血液凝固の略で、血液が血管内部で凝固し、多数の微小血栓を形成する病態です。凝固異常や出血傾向を認め、対応が遅れるとたいへん危険です。
DICは虫歯による炎症が拡大し、ガス壊疽、壊死性筋膜炎などに発展した場合に生じることがあります。

【まとめ】虫歯を放置するとどうなる?放置リスクと症状を解説

虫歯の放置リスクと放置した場合、症状がどのように進行していくのかを解説しました。
この記事では、下記のようなことがご理解いただけたのではないでしょうか。

この記事の要約

  • 虫歯はC1からC4へと拡大する
  • 虫歯の症状は多彩で進行すると自発痛が消失することがあるが、治癒した結果ではない
  • 虫歯を放置していると治療が困難になり、予後が悪化する
  • 虫歯は膿瘍形成や骨髄炎、蜂窩織炎にとどまらず、ガス壊疽など、生命の危機に発展することもある

虫歯は不可逆性の転機を辿る硬組織疾患です。
放置していると、虫歯治療が困難になるばかりでなく、口腔内のさまざまな感染症の原因となり、容易に骨髄炎や蜂窩織炎、膿瘍形成など、隣接臓器へ波及することが知られています。
虫歯は放置していても悪化するばかりで、良いことは全くありません。気づいた段階で、早期に治療を受けることが大切です。

虫歯の経過や治療法などについて、ご質問や不安のある方は、ぜひ南青山パーソン歯科へご相談ください。

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