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インプラントの治療後はMRIやCTは受けられる?検査への影響や起こり得るリスクも解説

インプラントの治療後はMRIやCTは受けられる?検査への影響や起こり得るリスクも解説

現代の医療では、疾患の診断に画像診断は欠かせません。そして、画像診断の種類は、レントゲン写真から始まり、CT、MRI、PETまで実に多様です。
では、欠損歯に対する治療法のひとつであるインプラントは、MRIやCTに影響することはあるのでしょうか。

この記事では、インプラント治療後のMRIやCTへの影響の有無などについてわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、MRIやCT、そしてインプラントとMRIの関係性などが理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。

この記事でわかる事

  • MRIとはどのような検査なのか
  • インプラントは何でできているのか
  • インプラントをしてもMRIを受けられるのか
  • どのようなインプラントがMRIに影響するのか
  • MRIへの影響が指摘された場合の対処法
  • インプラントを受けてもCTは受けられるのか

MRIについて

MRIについて詳しく解説していきます。

MRIとは

MRIは、磁気共鳴画像診断(Magnetic Resonance Imaging)という強力な磁場と電波を使って体内の組織を画像化する検査です。従来から行われているレントゲン検査とは違い放射線を使わずに検査するので、被曝することがありません。
MRIは、主に体内の組織や臓器の状態の確認に使われています。
さらにMRIには、もうひとつfMRIというよく似た名前の検査があります。こちらの検査は、脳の働きを調べるのに使われます。

MRIの仕組み

MRIは、体内の水分に含まれる水素原子を利用しています。
体内の水素原子に強力な磁場と、ある周波数の電波を与えると水素原子が移動します。そして、磁場と電波を止めると、移動していた水素原子が元の位置に戻ろうとします。この動きをとらえて、画像化したのものがMRIです。
このため、MRIは軟組織の検査に適しています。

MRIで検査する部位

MRIは、脳、脊髄、脊椎、骨髄、腹腔内臓器(肝臓、胆嚢、膵臓)、骨盤内臓器(子宮、卵巣、前立腺)の検査に使われることが多いです。

MRIのメリット

MRIには、被曝しない、臓器組織の状態把握といったメリットがあります。

被曝しない

MRIは、放射線を使わない検査なので被曝することがありません。

臓器や組織の状態がわかる

X線は臓器や組織を透過してしまうので、レントゲンやCTでは臓器や組織の状態はよくわかりません。
MRIは水分に含まれる水素原子を使っているので、臓器や組織の状態もよくわかります。

自由度が高い

自由度とは、見たい方向に合わせられる度合いという意味です。
MRIは水素原子の動く方向を調整することで、縦横斜め、さまざまな方向から画像を作り出すことができます。

MRIのデメリット

MRIには、検査に時間がかかる、雑音、金属があると検査ができないといったデメリットがあります。

時間がかかる

MRIは、1回30〜60分と時間がかかります。
レントゲンより時間がかかるCTでも長くても10〜15分程度なため、MRIの時間は長いと言えます。

音がうるさい

MRIは、機械からの雑音がとても大きいです。

金属があると検査できない

MRIは磁気を使った検査です。磁気の影響を受けるものは、MRIの部屋に持ち込むことはできません。
体内に金属を使った医療機器が入っている方は、検査できないことがあります。
例えば、脳動脈のクリップ、人工内耳、ペースメーカー、血管内コイル、ステントなどです。
歯科の分野では、マグネットデンチャー(磁石を使った義歯)が当てはまります。

インプラントの材質

インプラントは、体内に入れる人工の医療機器の総称なのですが、ここでは歯科治療で使われる人工歯としてのデンタルインプラントを対象としています。

インプラント

インプラントは、オッセオインテグレーションというチタンと骨の結合現象を利用しているので、チタンで作られています。

上部構造

インプラントの歯冠部分を上部構造と言いますが、上部構造の材質はセラミックであることが多いですが、金合金や金銀パラジウム合金などの金属材料が選ばれることもあります。

MRIとインプラントの関係

MRIと歯科用インプラントの関係について説明します。

MRIとインプラント

インプラントに使われているチタンは、金属ですが磁石に反応しない非磁性体です。したがって、MRIで用いられる磁場にインプラントが影響を及ぼすことはありません。
同様に金合金や金銀パラジウム合金も非磁性体なので、MRIに影響することはないです。

注意が必要なインプラント

全てのインプラントでMRIに影響することがないかというと、そうではありません。それはインプラントを土台とした入れ歯、インプラント義歯です。
インプラント義歯の中には、義歯の安定を図るために磁石をつけたマグネットデンチャーというタイプがあります。入れている入れ歯がマグネットデンチャーなら、MRIに影響するので事前に外しておく必要があります。

MRIへの影響を指摘された場合の対処法

もし、インプラントがMRIに影響すると言われた場合、どうすればいいのでしょうか。

マグネットデンチャーの除去

マグネットデンチャーをお使いの方は、MRIを受ける前に外さなくてはなりません。
事前に主治医の歯科医師に相談するようにします。

上部構造のみ撤去

CTほどではありませんが、頭頸部のMRIではインプラントの上部構造に使われた金属材料によって信号が少し乱れる可能性があります。そのような可能性が指摘された場合は、上部構造部分だけ撤去するのもひとつの方法です。

素材を説明

インプラントに使われているチタンは、非磁性体であることをMRIの検査技師に説明し、撤去の必要がないことを理解してもらうのもいいでしょう。

主治医に相談

インプラントの素材について説明しても理解してもらえない場合は、主治医の歯科医師にインプラントの素材の特徴について診療情報提供書に記載してもらうのも対処法のひとつです。

CTとインプラントの関係

最後にCTとインプラントの関係について解説します。

CTとは

CTは、コンピューター断層撮影(Computed Tomography)というX線を使った画像検査法です。

CTの仕組み

人体にさまざまな方向からX線を照射します。すると、体内でX線が減弱します。体から出てきたX線の量を検出器で読み取り、数値を解析することで体内の状態を画像化します。
CTでも軟組織をある程度は描出することができますが、X線を使うため基本的には硬組織の画像検査に適しています。

CTとインプラントの関係

CTは、X線を使う画像検査法です。
X線はインプラントに影響しませんし、インプラントもX線に影響しないので、インプラント治療を終えた後でも受けていただけます。

アーチファクトの可能性はある

インプラントに限らず金属材料を使った治療を受けていると、その部分だけX線が透過できなくなります。このため、画像上にアーチファクトというノイズを生み出してしまうことがあります。
アーチファクトが生じると、そこに重なる組織は判別が困難になります。軽いアーチファクトなら補正できますが、強いアーチファクトであれば補正で対応するのは難しいです。
インプラントなど歯科治療によって生じるアーチファクトは、下顔面部に生じやすいので、この部分のCTに影響を及ぼす可能性が考えられます。

【まとめ】インプラントの治療後はMRIやCTは受けられる?検査への影響や起こり得るリスクも解説

インプラントを入れた後に、MRIやCTが受けられるのかについて解説しました。
この記事では、下記のようなことがご理解いただけたのではないでしょうか。

この記事の要約

  • MRIは磁気を使った画像検査
  • インプラントはチタン製なのでMRIには影響しない
  • インプラントの上にマグネットデンチャーが装着されている場合はMRIの前に外す必要がある
  • CTはX線を使った画像検査

MRIやCTなどの画像検査は、それなしでは現代の医療は成り立たないと言っても過言ではありません。インプラントを入れていても、MRIやCTを受けることはできます。
また、MRIやCT以外にもさまざまな検査法があります。それらにインプラントが影響するかどうかの判断には、インプラントの専門知識だけでなく、さまざまな検査への知識も欠かせません。

インプラントの治療後の各種検査に不安のある方、お悩みの方は、まずは当院の無料相談にお越しください。インプラント治療の経験豊富な歯科医師が、丁寧に対応させていただきます。

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