インプラントの痛みや腫れはどのくらい?痛いと感じる原因やタイミングについて

インプラント治療は、歯の欠損に対して優れた咬合機能、咀嚼機能、そして審美性を有する治療法です。
しかし、インプラントは外科治療の一種であるため、その治療の過程で疼痛を伴うことが多いです。そのため、インプラント治療の痛みが心配で、治療に踏みけれない方も多いのではないでしょうか。
インプラント治療における疼痛の原因は、一体何なのでしょうか。
この記事では、インプラント治療における痛みについて解説します。
この記事を読むことで、インプラント治療における疼痛の原因や対処法が理解でき、次のような疑問や悩みが解決します。
この記事でわかる事
- インプラント治療では、どのタイミングで疼痛が発現するのか
- インプラント治療の疼痛の原因は何か
- インプラント治療で腫脹を認めることはあるのか
- インプラント治療後の腫脹の経過はどうなのか
- インプラント治療での疼痛や腫脹発現時にどのような対処をすればいいのか
目次
インプラント治療で疼痛を感じるタイミング
インプラント治療で疼痛、すなわち痛みを感じるのは、主に次のようなときです。
術中の疼痛
インプラント手術は局所麻酔のもとに行われます。局所麻酔は、表面麻酔と浸潤麻酔、そして伝達麻酔です。
表面麻酔で痛みを感じることはありませんが、浸潤麻酔や伝達麻酔は、局所麻酔薬を注射して注入するので痛みを感じます。
これ以降は、局所麻酔の効果で疼痛は感じなくなります。
術後の疼痛
局所麻酔の効果が失われると、術後の疼痛が発現します。麻酔効果の持続時間は浸潤麻酔で2〜3時間、伝達麻酔で5〜6時間ですので、これ以降痛みを感じるようになります。また、術部を中心として、その周囲の歯に咬合痛が発現することがあります。
噛む痛いと感じるのは臼歯部に多く、主にインプラント手術の翌日以降に感じることが多いです。
インプラント治療での疼痛の原因
インプラント治療で疼痛が生じる原因は、次の通りです。
術中の疼痛
標準的な埋入手術だけで、歯肉切開と歯肉弁の形成、埋入窩形成、インプラント埋入、歯肉弁の縫合と、疼痛を発現させる機会はこれだけあります。骨造成が必要な場合はさらに疼痛箇所が増えます。
例えば、サイナスリフトを挙げると、頬側の粘膜の切開と粘膜骨膜弁の形成、骨開削、上顎洞粘膜の剥離と挙上、人工骨の挿入、粘膜弁の縫合が加わります。
いずれも疼痛の原因となります。
術後の疼痛
インプラント手術後の疼痛のほとんどは、手術侵襲に伴い発生した炎症による侵害受容性疼痛です。
それ以外の痛みの原因としては、ドリリングや埋入中に下歯槽神経など末梢神経を損傷することで生じる神経障害性疼痛があります。
インプラント治療での疼痛への対処法
続いて、インプラント治療で生じる痛みへの対処法を解説します。
術中の疼痛
術中の痛みに対しては、局所麻酔でコントロールします。前述したように、局所麻酔には表面麻酔、浸潤麻酔、伝達麻酔の3つがあります。
表面麻酔は、口腔粘膜下組織の知覚神経の終末を麻痺させる麻酔法です。
浸潤麻酔は、歯周組織内に局所麻酔薬を注射し、薬液の浸潤した部位の知覚神経を麻痺させる麻酔法です。
多いのは、骨膜の外側に局所麻酔薬を注入する傍骨膜注射や、注射針が骨膜を貫通させ、歯槽骨表面に到達させてここに注入する骨膜下注射です。
伝達麻酔は、末梢神経の神経幹に麻酔して神経電動を遮断する麻酔法です。
1〜2本程度のインプラントなら浸潤麻酔で十分コントロールできますが、それ以上の範囲になると伝達麻酔を併用することもあります。
術後の疼痛
術後に生じた侵害受容性疼痛に対しては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)でコントロールします。手術侵襲を受けると、炎症性サイトカインが発現し、シクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素の発現を誘導します。
シクロオキシゲナーゼは、痛みを伝える神経伝達物質であるプロスタグランジン(PG)の合成を促します。このプロスタグランジンの作用で、痛みを感じます。
非ステロイド性抗炎症薬は、シクロオキシゲナーゼに結合することでプロスタグランジンの合成を抑制し、鎮痛作用を発現します。
神経障害性疼痛が発生した場合には、神経障害性疼痛緩和薬でコントロールを試みます。こちらには、非ステロイド性抗炎症薬が持っている抗炎症作用はありません。
インプラント治療後の腫脹について
インプラント治療後、炎症性の腫脹が発現します。
腫脹の経過
インプラント手術後の腫脹は、局所の血管拡張と血管透過性の亢進により血漿成分が血管外に滲出することで生じます。
この炎症性の腫脹は術後24〜48時間がピークとなり、それから治っていきます。
腫脹に伴う症状
骨造成など手術侵襲の大きな手術を受けた後では、顔の腫れを認めることがあります。
顔面部の腫脹は、前歯部のインプラント治療でより目立ちやすいです。また、腫脹が咀嚼筋の付近まで及ぶと、開口障害を発現することもあります。
インプラント治療後の腫脹への対処法
インプラント治療によって腫脹が生じること自体は正常な反応なのですが、何らかの対処法を希望される方もいらっしゃいます。
そのようなときは、次のようの方法を試してみてください。
経過観察
術後の腫脹自体は正常な反応なので、そのまま経過観察となることがほとんどです。
冷罨法
冷罨法は、腫脹に対する物理療法の一つで、急性期に適した対処法です。
ガーゼなどの布片を10〜15度程度の冷水に浸して固く絞って腫脹部位に貼用します。局所の血管を収縮させて、血液量を減少させ、同時に血漿成分の血管透過量を減らし、腫脹を低下させます。
知覚神経の活動も低下するので、疼痛を軽減する効果も得られます。
【まとめ】インプラントの痛みや腫れはどのくらい?痛いと感じる原因やタイミングについて
インプラント治療の痛みの原因や対処法について解説しました
この記事では、下記のようなことがご理解いただけたのではないでしょうか。
この記事の要約
- インプラント治療で痛みを感じるのは局所麻酔の注射時と麻酔が覚めたとき
- インプラント治療の痛みの原因は外科手術と術後の炎症がほとんど
- 術中の痛みには局所麻酔、術後の痛みには非ステロイド性抗炎症薬で対処する
- インプラント治療後の腫脹は24〜48時間がピークでその後しばらくして治ってくる
- 腫脹に伴い顔の腫れや開口障害が生じることがある
- 治療後の腫脹に対する対処法は冷罨法
インプラント治療は、歯の欠損症に伴う審美障害、咀嚼障害、咬合不全を改善させる優れた治療法です。しかし、インプラント治療は外科治療の一種なので、治療の過程で疼痛や腫脹などが発現することが避けられません。
インプラント治療で疼痛や腫脹が発現したときには、適切に対処することが大切です。
インプラント治療の疼痛や腫脹に不安のある方、相談したいことがある方は、ぜひ南青山パーソン歯科にご相談ください。インプラント治療の実績が豊富な歯科医師が、丁寧に対応させていただきます。