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BRUSHING ブラッシング指導

ブラッシング指導とは

ブラッシング指導とは、歯科医師や歯科衛生士が一人ひとりに合った正しい歯磨き方法を説明することで、正式にはTBI(Tooth Brushing Instruction)とよばれています。
歯磨きは虫歯や歯周病予防の一丁目一番地なので、ブラッシング指導はとても大切です。

磨けていると磨いているは違う

多くの方に見られることなのですが、歯磨きの仕方には個人差があり、よく磨けているところと磨けていないところがあります。
仮に歯磨きをした結果、歯の表面から8割方プラークが取り除けたとしても、言い方を変えると2割のプラークが残ったままということになります。この例えでは、歯磨きは十分できていると思われそうですが、残りの2割だけでも虫歯や歯周病は起こり得るので十分な歯磨きとはいえません。そして、残念ながら多くの方は、この例えで出したような8割も磨けていないのが実情です。
厳しいことを言うようですが、“歯を磨いている”というのと、“歯をきちんと磨けている”というのは全く別の話なのです。

ブラッシング指導の目的と効果

ブラッシング指導は、次に挙げる目的を達成するために行われています。
正しい歯磨きができれば、ここに挙げるようなさまざまな効果を得ることができます。

プラークコントロールの改善

ブラッシング指導の第一の目的は、プラークコントロールの改善です。プラークコントロールは、歯やお口の健康の大敵であるプラークの量が少なくなるようコントロールするという意味です。
プラークコントロールは、歯科医院で受ける方法もありますが、基本となるのが毎日の歯磨きです。ブラッシング指導を受ければ、毎日の歯磨きで効率よくプラークを取り除けるようになるので、プラークコントロールの改善が期待できます。

虫歯予防

虫歯の原因は、ストレプトコッカス・ミュータンスなどの乳酸菌です。虫歯の原因菌はプラークの中にいます。
ブラッシング指導でプラークコントロールが改善できれば、虫歯の原因菌を減らせるので虫歯も防げます。

歯周病予防

歯周病の原因はプラークの中にいる細菌で、歯周病も歯を失う原因のひとつです。ブラッシング指導を受けてプラークを減らせれば、それにともなって歯周病菌も減少します。
歯周病は、歯周病菌が作り出す毒素によって進行する病気です。ブラッシング指導の結果、プラークコントールが良くなれば歯周病菌が減少し、毒素の量も減りますから歯周病も予防できます。

全身の健康増進

歯周病が糖尿病や狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの全身の健康に関係していることがわかってきました。
ブラッシング指導を受けると、プラークコントロールの向上により歯周病が予防できますから、全身の健康増進という面でも効果が期待できます。

モチベーションの獲得

歯周病や虫歯治療では、歯周病や虫歯を治そう、防ごうというモチベーション(動機づけ)がとても大切です。
ブラッシング指導では歯磨きの方法だけでなく、説明を通して歯周病や虫歯の病状への理解を高められます。病状、病態への理解は、治療や予防に対するモチベーションにつながりますから、ブラッシング指導でもモチベーションへの効果が期待されます。

歯磨きの癖がわかる

歯磨きには癖があります。このため、よく磨けているところもあれば、あまり磨けていないところもできます。しかし、歯磨きの癖はご自身ではなかなか気づくことができません。
ブラッシング指導では、一度ご自身で歯を磨いていただきますので、このときの評価によって歯磨きの癖が客観的にわかります。

使いやすい歯ブラシや歯間ブラシなどがわかる

ブラッシング指導を受けると、歯の形、大きさ、並び方に合った適切な歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスなどを紹介してもらえます。電動歯ブラシの方は、電動歯ブラシのモードやヘッドの種類についても同様です。
お口のケアグッズについての知識が増えるのも、ブラッシング指導の効果のひとつです。

適した歯磨き方法が身につく

ブラッシング指導は、1回では終わりません。
1度説明してもらい、そのときは分かったように思えても、しばらくすると忘れてしまった経験はありませんか。歯磨きもそうです。したがって、ブラッシング指導も何回も繰り返し行うことで、適した歯磨き方法を身につけていただきます。
ブラッシング指導を受けると、ご自身の歯の形、大きさ、並び方に合わせた適切な歯磨き方法での歯磨きが無意識に実践できるようになります。

ブラッシング指導の内容と流れ

ブラッシング指導では、次のような流れで進めていくことが多いです。

  • 1.

    問診

    最初は問診です。
    主訴(最も気になっていること)、そして現在治療中、過去に治療していたことのある病気の有無、薬などの治療内容、薬や食べ物などのアレルギーの有無などをお聞きします。

  • 2.

    歯磨き

    ブラッシング指導では、最初にご自身で歯ブラシを使って普段と同じように歯を磨いてもらいます。歯ブラシについては、普段ご自身で使っている歯ブラシを持ってきていただくこともあれば、歯科医院で歯ブラシを準備していることもあります。
    このとき、どのようにして磨いているかも、見させていただいております。

  • 3.

    染め出し

    ご自身での歯磨きが終わったら、プラーク専用の染め出し液(歯垢染色液)を使って歯を染め出します。染め出されたところが、磨き残しているところです。染め出された箇所は、カルテに記載します。
    どこにどれくらい染め出されているのか、鏡を使って一緒に見ていきます。

  • 4.

    歯磨きの方法の説明

    染め出された部分には歯ブラシをどのように持ち、どのように当てたらいいのか、歯ブラシの向きや角度を含め、歯の模型を使って説明します。
    歯間ブラシやデンタルフロスの正しい使い方についても、このとき一緒にご説明させていただきます。

  • 5.

    歯磨き

    歯磨きの方法の説明が終わったら、次はご自身で歯を磨いてもらいます。
    染め出されているところがなくなるように磨いていただくのですが、このとき歯磨きの状況に合わせて、随時歯磨きの方法を説明させていただきます。

自宅で歯磨きする時のコツ

ご自宅で歯磨きするときの歯磨きのポイント、すなわちコツについて説明します。

歯磨き粉は医薬部外品がおすすめ

歯磨き粉は大きく分けると、医薬品、医薬部外品、化粧品に分けられます。おすすめは医薬品や医薬部外品です。これらには、歯やお口の健康に効果のある薬効成分が含まれています。
一方、化粧品の歯磨き粉には薬効成分が入っていません。選ぶなら、医薬品や医薬部外品の歯磨き粉がおすすめです。

歯磨き粉をつけすぎない

歯磨き粉の量は、多すぎても少なすぎても良くないです。年齢に応じた適切な量があります。
生後6ヶ月〜2歳の乳幼児はおよそ3㎜、3〜5歳の幼児は5㎜、6歳以上は1㎝くらいです。

歯ブラシを濡らさない

歯磨きするとき、先に歯ブラシを濡らしてから歯磨き粉をつけるのは避けた方がいいです。歯ブラシを濡らしておくと、泡立ちが良くなって磨けたような気になりますが、実際のところはその逆です。
泡立ちとそれによる爽快感から、歯磨きが不十分になることが指摘されています。その上、歯磨き粉の薬効成分が薄まってしまい、それらの効果も下がってしまいますから、歯ブラシは濡らさないようにしましょう。

うがいの水は少なめに

歯磨きの後のうがいは、15mlほどの少ない水にするのがおすすめです。15mlは、大さじスプーン1杯、もしくはペットボトルのキャップ2つ分くらいです。
たくさんの水でうがいすると、歯に残っている歯磨き粉の薬効成分が流れてしまう可能性があります。歯磨きの後のうがいは、少なめのお水でうがいするようにしましょう。

歯ブラシの当て方のポイント

歯磨きの方法は、歯の形や歯並びによって適した方法に差がありますが、ポイントは3つです。

  1. 毛先を歯にきちんと当てること(歯と歯肉の境目に注意)
  2. 軽い力で磨くこと(歯ブラシの毛先が広がらない程度の力)
  3. 小刻みに動かすこと(5〜10㎜の幅で動かす)

歯ブラシの当て方の工夫

3つのポイントを守りつつ、歯並びに合わせて工夫するのもおすすめです。

  1. 前歯が歯並びのために磨きにくいなら歯ブラシを縦に当てると磨きやすい
  2. 奥歯の低い歯には斜めから歯ブラシを入れると磨きやすい
  3. 歯と歯肉の境目は45度くらいの角度で歯ブラシを当てると磨きやすい

使い終わった歯ブラシ

歯磨きが終わったら、歯ブラシは水で洗って乾かしましょう。
歯磨き粉がついたまま、もしくは歯磨き後の濡れたままで放置していると、雑菌が繁殖するかもしれないからです。水を切って、乾かすようにしましょう。

歯ブラシの交換時期

歯ブラシは毛先が開いたら、新しいものに交換しましょう。
個人差はありますが、おおむね1ヶ月に1本くらいが目安です。

虫歯リスクの高い方

間食の回数が多い方や唾液が少ない方、虫歯菌の多い方など、虫歯リスクの高い方は、毎食後の歯磨きに加え、寝る前にフッ素入りの洗口液でうがいすることをおすすめします。

セルフケアで活用したいオーラルケアアイテム

毎日の歯磨きで使っていただくと便利なオーラルケアアイテムをご紹介します。

歯垢染色剤

プラークの染め出し剤です。プラークチェッカーともよばれ、市販されています。
液体タイプやタブレットタイプなどがあり、歯科医院に行かなくてもご自宅で磨き残し部分を染め出して確認することができます。

プラークチェックライト

プラークチェックライトは、プラークや歯石を見えやすくするライトです。歯垢染色液より手軽ですが、新しいプラークは見えにくいのが難点です。

歯間ブラシ

歯間ブラシは、歯と歯の間を通すために作られた歯磨き用品です。太さは数種類あり、隙間の狭い方から広い方まで対応しています。歯肉のマッサージ効果も期待できます。

デンタルフロス

デンタルフロスは、糸ようじともよばれている歯磨き用品です。Y字形やL字型の柄がついていて使いやすいタイプや、柄がなくて低コストなタイプ、水分を含むと膨れるタイプなど、さまざまなタイプがあります。
歯間ブラシが通りにくいほど、歯と歯の間が狭い方もデンタルフロスならきれいにできます。

ワンタフトブラシ

ワンタフトブラシは、毛先が尖った円筒状になっている先の小さな歯ブラシです。歯の表面を広く磨くのには適していませんが、歯と歯の間、歯並びが凸凹としているところ、矯正装置の間などの細かいところの歯磨きに適しています。
ワンタフトブラシも、普通の歯ブラシと組み合わせるのが効果的です。

電動歯ブラシ

電動歯ブラシは、モーターで毛先が自動で動く歯ブラシです。
毛先の動き方から、回転式と音波式に分けられます。どちらも、普通の歯ブラシよりしっかり磨ける上、ヘッドを交換したり、モードを変更したりすることで、さまざまな使い方ができるようになっています。

マウスウォッシュ

マウスウォッシュは、洗口液です。
歯磨きと組み合わせ、20秒ほどクチュクチュとお口に含んでから吐き出します。なお、マウスウォッシュは歯磨き粉ではないので、マウスウォッシュで歯磨きすることはできません。

ウォーターピック

ウォーターピックは、水圧で歯の汚れやプラークを洗い流すケアアイテムです。矯正装置の隙間や歯と歯の間まできれいに洗い流せます。
歯ブラシに併用するとより効果的に、そして簡単に歯をきれいに保つことができます。

舌ブラシ

舌ブラシは、舌の汚れを取り除く専用ブラシです。
歯磨きには使えませんが、舌ブラシを使って舌をケアすれば、口臭や肺炎の予防効果も得られます。

お口の環境を整えるタブレット

乳酸菌を利用して、お口の中の環境を整えるタブレットがあります。歯磨きに併用すると、より効果的に歯やお口の環境を健康的に保てます。
お口の中で溶けやすいチュアブルタイプもあり、お子さんにも利用していただきやすいです。

よくある質問

ブラッシング指導にはどのくらい時間がかかりますか?

ブラッシング指導にかかる時間は皆さんの状態によって異なりますが、比較的きれいに磨けている方でも少なくとも15分はかかります。
歯ブラシを上手に使えていないと思われる方は、さらに時間がかかることも多いです。

ブラッシング指導に費用はかかりますか?

ブラッシング指導を受けるには費用がかかりますが、保険診療の適用を受けています。
どれだけ時間がかかっても、もしくは早く終わったとしても、費用は一定で増減することはありません。

ブラッシング指導は定期的に受ける必要はありますか?

ブラッシング指導を受けたときは上手に磨けるようになりますが、時間が経てば忘れてしまい、元の歯磨きに近い状態に戻ってしまう方が多いです。そこで、定期的にブラッシング指導を受けることをおすすめしています。
ブラッシング指導を定期的に受ければ体が覚えていきますので、正しい歯磨きが自然に身につくようになります。

治療概要

治療方法

ブラッシング指導

治療の説明

ブラッシング指導は、一人ひとり異なる歯の状態に適した歯磨き方法を説明することで、正式にはTBIとよばれています。ブラッシング指導を受けると、正しい歯磨き方法が身につき、虫歯や歯周病を防ぐことができます。

治療の副作用(リスク)

・染め出し液の着色

術後の制限事項

・なし