レーザーを使った歯周病治療とは
レーザーを使った歯周病治療とは、歯石除去やプラーク除去を中心とした歯周病治療に、炭酸ガスレーザーによる治療を加えた新しい歯周病治療です。
歯周病を発症した歯肉にレーザーを照射し、歯周組織の治癒や再生を促すほか、歯周病の炎症や痛みを和らげます。
レーザー治療は痛みがでないので、無麻酔でできるうえ、従来の歯周病治療では得られない作用で歯周病を効果的に治します。
歯周病とは
歯周病とは、歯を支えている歯肉や骨などの歯周組織を侵す病気の総称です。
人類は歯周病に古代から悩まされており、古くは紀元前のエジプトや中国の書物にも記載されています。現代でも歯周病は人類に最も広がっている病気の一つで、世界中のどこにでも存在しており、成人の抜歯の原因の半数を占めるほどです。かつては症状を抑える対症療法が中心でしたが、原因が明らかになった現在では、原因に対する治療が中心になっています。
歯周病の症状
歯周病の症状は、歯肉の炎症である歯肉炎から始まります。
歯肉炎は、赤みを伴うわずかな歯肉の腫れから始まり拡大し、歯肉からの出血を認めるようになります。そして、炎症の範囲が広がり歯周炎に進展します。
歯周炎になると、歯を支えている歯槽骨という骨が次第に吸収されて減っていきます。それに伴い、歯と歯肉の間の歯周ポケットが深くなり、やがて歯が動き出します。
最終的には、歯が抜けてしまいます。
歯周病の原因
歯周病の直接的な原因はプラーク、詳しくいうと歯周病菌と総称されるお口の中の細菌です。
歯周病菌は数百種類発見されていますが、中でもリスクが高い細菌がフォルフィロモナス・ジンジバリス、トレポンレーラ・デンティコラ、タネレラ・フォーサイシアの3つです。3種を合わせてレッドコンプレックスと呼んでいます。
プラーク1g中には1億個もの細菌がおり、その中にこれらの歯周病菌も含まれています。このため、プラークが歯周病の直接的な原因とみなされているのです。
また、プラークのような直接的原因以外に、不適切な被せ物や詰め物、不均等な噛み合わせ、凸凹とした歯並び、タバコなど、歯周病を進行させてしまう間接的な原因もあります。
レーザーによる歯周病治療の流れ
当院では、歯周病治療の実績を豊富に持つ熟練の歯科医師が丁寧な診察と診断を行い、患者様に最適な歯周病治療をご提案いたします。
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1.
問診
どのようなところが気になっているのかをまずお尋ねします。
また、現在治療中の病気や過去に治療を受けていた病気の有無、現在飲んでいる薬の有無、薬や食べ物へのアレルギーの有無もお聞きします。 -
2.
検査
まず、歯周基本検査という歯周病検査を行います。
歯と歯肉の間にある歯周ポケットの深さや歯の揺れ具合を調べます。レントゲン写真を撮影し、歯の周りの骨の状態なども確認します。
より詳しく調べたいときには、歯周精密検査を行います。
歯周精密検査では、歯周基本検査より細かく歯周ポケットの深さを測るほか、歯肉からの出血の有無やプラークのつき具合も調べます。 -
3.
診断
検査結果が得られれば、それを元に歯周病の状態を診断します。
歯周病の診断については、現在、アメリカやヨーロッパで提唱された新しい分類法が導入されており、ステージやグレード分類が加えられるようになっています。 -
4.
レーザー治療
炎症を起こしている歯肉にレーザーを照射します。
レーザーは高出力であっても、照射時間を数千分の1秒という短時間にし、1点に集中しないようにすることで痛みを感じることなく受けていただけます。 -
5.
クリーニング
歯の表面についている歯石を除去し、歯の表面をツルツルした状態になるまで磨きます。
歯石やプラークを取り除き、歯周病の再発を防ぎます。 -
6.
再評価
歯周病治療で効果が得られたかどうか、歯周基本検査もしくは歯周精密検査を行い評価します。これを再評価と呼んでいます。
レーザーによる歯周病治療のよくある質問
歯周病レーザー治療は、ほとんどの場合、痛みを感じません。局所麻酔の注射をせずに受けていただけます。
一般的な歯周病治療では、プラークコントロールや歯石除去など原因の除去による炎症症状の緩和と改善が中心になります。
一方、それに加えて歯周病レーザー治療には、歯周組織や骨の治りと再生を促進する作用があり、一般的な歯周病治療より効果的に治すことができます。
レーザーによる歯周病治療の治療概要
治療名 | レーザーによる歯周病治療 |
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治療説明 | 炭酸ガスレーザーを歯周病治療に用いると、遠赤外線効果により傷ついた歯周組織の治癒が促進されます。その上、炎症の緩和効果、痛みの改善効果、歯周組織の再生促進効果があり、歯周病を効果的に治療します。 |
治療のリスク・副作用 | 皮下気腫の発症リスク |
治療費 | 保険診療内に含まれるため、レーザー照射費用は無料です。 |
治療期間 | 継続的な治療が必要 |
通院回数 | 継続的な通院が必要 |