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乳歯に穴があくのは虫歯だけ?治療を急ぐ理由と虫歯以外の原因も解説

乳歯に穴があくのは虫歯だけ?治療を急ぐ理由と虫歯以外の原因も解説

「子どもの乳歯に穴が開いている?」と気づいたとき、多くの保護者の方は驚きと不安を感じることでしょう。
乳歯は永久歯よりも歯質が柔らかく、虫歯の原因菌が産生する酸に対する耐性も低いため、虫歯の進行が非常に早いことが特徴です。
しかし、歯に穴が開いているからといって、必ずしもそれが虫歯であるとは限りません。中には、他の病気や外傷が原因のケースもあります。

この記事では、乳歯に穴が開く原因と、なぜ早期治療が不可欠なのか、さらに虫歯以外の意外な原因について詳しく解説します。
この記事を読むことで、乳歯の虫歯を放置することのリスクを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。

この記事でわかる事

  • 乳歯の虫歯は、なぜ永久歯よりも進行が早いのか?
  • 子どもが痛みを訴えていなくても、治療を急ぐ理由
  • 乳歯の虫歯を放置すると、将来の永久歯に悪影響はあるのか?
  • 虫歯以外で歯に穴が開く原因にはどのようなものがあるのか?

齲蝕治療を急いだほうがいい理由

乳歯の齲蝕は、進行速度が速いことや自覚所見が現れにくいこと、後継永久歯への悪影響などから早めの治療が推奨されています。

齲窩拡大の進行速度の高さ

乳歯は永久歯と比較して歯質がやわらかく、齲蝕の原因菌が産生する乳酸への耐酸性が低いため、齲蝕が進行しやすいです。

自覚所見に乏しい

永久歯の齲蝕症と異なり、乳歯の齲蝕症は自発痛などの自覚所見が現れにくい傾向が指摘されます。
齲窩の拡大が早いことと相まって、自覚所見が乏しいことも乳歯の齲蝕症が悪化しやすい原因の一つに挙げられています。

日常生活への悪影響

乳歯の齲蝕症は自覚所見に乏しいとはいえ、痛みが全くないわけではなく、齲蝕症が進むと自発痛が発現するようになります。
自発痛を認めると、食生活などの日常生活に悪影響が出るだけでなく、疼痛への恐怖感から歯科治療の障害にもなる可能性があります。

歯列への悪影響

齲蝕が拡大し、隣接関係や咬合関係が変化すると、歯が近心傾斜したり、対合歯が挺出したりするなど、歯列不正をきたすことがあります。
後継永久歯の萌出スペースが失われると、後継永久歯が頬側や舌側に転位するなど、永久歯列の歯列不正の原因にもなります。

後継永久歯への悪影響

齲蝕が進行すると歯髄が壊疽し、根尖部に根尖病巣が形成されます。
根尖病巣が後継永久歯の歯胚に達すると、歯胚の成長が阻害され、エナメル質形成不全症などの先天的な形態異常を起こす可能性が生じます。

乳歯齲蝕の治療法

乳歯齲蝕の治療法は、齲蝕の進行度によって選択されます。

ブラッシング指導やフッ素塗布

ブラッシング指導やフッ素塗布など、衛生管理に主眼を置いた治療は、COというエナメル質が脱灰しただけのごく初期の齲蝕症に用いられます。
齲窩を削合することなく、再石灰化作用により自然に治癒することを目指します。

コンポジットレジン充填

コンポジットレジンは、歯冠色に近似したプラスチック製の歯科材料です。
コンポジットレジン充填は、エナメル質に齲窩が形成されたC1やエナメル質直下の象牙質にまで及んだC2に対し、窩洞形成し、直接コンポジットレジンを詰める治療です。窩洞形成とコンポジットレジンの充填・研磨を連続してできるので、治療を1日で完了できるのが特徴です。

インレー

インレーは、臼歯部の小窩裂溝や隣接面のC2クラスの齲蝕の治療に用いられる修復物です。
インレーは、乳歯の齲蝕治療にも適用があります。永久歯のインレーは、金銀パラジウム合金が用いられることが多いですが、乳歯の場合は銀合金になります。

クラウン

クラウンは、歯冠全体を被覆する補綴物です。歯冠の大部分を喪失した場合の治療法として選ばれます。
乳歯のクラウンもインレーと同じく材料は銀合金ですが、永久歯と異なり既成冠が用いられることもあります。

麻酔抜髄法

麻酔抜髄法は、齲蝕の進展度がC3クラスになり、歯髄にまで波及した場合の治療法で歯髄を麻酔下に除去します。
麻酔抜髄法を行った場合は、根管治療を経て根管内を根管充填材を用いて根管充填します。永久歯の根管充填材はガッタパーチャとよばれる天然ゴム由来のものを使いますが、乳歯では水酸化カルシウムペーストを使います。根管充填処置が終わった乳歯は、コンポジットレジン充填やクラウンで修復します。

感染根管治療

感染根管治療は、失活歯の根管治療です。
感染根管治療も麻酔抜髄法と同じく、数回の根管治療を経てから根管充填を行います。根管充填後は、コンポジットレジン充填やクラウンでの歯冠形態の修復となります。

抜歯

乳歯の齲蝕症も、歯冠がほぼなくなるC4という段階まで進行すると、保存治療は適用できず、抜歯しなくてはなりません。

虫歯以外の原因と対処法

虫歯以外の乳歯に穴をあける原因としては、酸蝕症や咬耗症、外傷、エナメル質形成不全症が挙げられます。
原因はそれぞれ異なりますが、対処法は虫歯とほぼ同じです。

酸蝕症

酸蝕症は酸性の飲食物により、歯冠のエナメル質が溶解する病気です。
胃酸でも起こりえますが子供の場合、胃食道逆流症、いわゆる逆流性食道炎はほとんどないので、胃酸による乳歯の酸蝕症は稀です。エナメル質が溶けるという点では齲蝕症と同じですが、溶ける原因が生物由来の乳酸なら齲蝕症、そうでないなら酸蝕症となります。
乳歯の酸蝕症への対処法は、コンポジットレジン充填が中心です。

咬耗症

咬耗症は上下の歯が過度に擦れあうことで咬合面が摩耗してしまう状態で、その主な原因はブラキシズムです。乳歯は永久歯よりもやわらかいため、咬耗症が進みやすい傾向があります。
乳歯の咬耗症は、生理的咬耗のひとつとされ経過観察が多いですが、ストレスが背景にある場合は生活習慣の指導が行われることもあります。

外傷

転倒や事故などにより歯を打撲した際に、歯冠の破損により部分的な歯冠の硬組織の喪失が起こりえます。この結果、乳歯に穴が空いたように見えることがあります。
この場合、硬組織の欠損状況により、欠損範囲が小さければコンポジットレジン充填やインレー、大きければ根管治療とクラウンなどで対応します。

エナメル形成不全症

エナメル質という歯の外層を構成している硬組織が、先天的に正常な状態になるまで形成されない病気です。
エナメル質形成不全症になると、部分的なエナメル質の菲薄化やエナメル質の欠損を生じることがあります。そうなると、エナメル質の厚みが不均一になり、歯冠に凹凸が生じます。凹凸の形状によっては、穴が空いたように見える可能性もあります。
エナメル質形成不全症では、ほとんどの場合コンポジットレジン充填で対応できます。

【まとめ】乳歯に穴があくのは虫歯だけ?治療を急ぐ理由と虫歯以外の原因も解説

乳歯に穴が開く原因、治療を急ぐ理由、そして虫歯以外の原因と対処法について詳しく解説しました。
この記事では、下記のようなことが理解できたのではないでしょうか。

この記事の要約

  • 乳歯の虫歯は、進行速度が速く自覚症状も現れにくいため、気づいたときには重症化していることもある
  • 放置することで、日常生活への支障や将来的な歯列不正、さらには後継永久歯のエナメル質形成不全などの悪影響を及ぼす可能性がある
  • 虫歯の進行度に応じて、ブラッシング指導やフッ素塗布から、コンポジットレジン充填、根管治療、抜歯まで、適切な治療法が選択される
  • 虫歯以外にも、酸蝕症、咬耗症、外傷、エナメル質形成不全症など、歯に穴が開く原因となる疾患が存在する
  • 原因が虫歯でなくても、放置せずに歯科医院で適切な処置を受ける必要がある

乳歯の健康は、お子様の将来の口腔環境を左右する非常に重要な要素です。
「もしかして虫歯かな?」「いつからできた穴だろう」と気になることがあれば、決して放置せず、できるだけ早く歯科医院を受診してください。

南青山パーソン歯科では、お子様の歯の状態を丁寧に診断し、最適な治療法をご提案いたします。大切なお子様の歯を守るため、まずは一度、当院の検診にお越しください。

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