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虫歯の進行速度はどれくらい?進行を早める要因と遅らせる方法も解説

虫歯の進行速度はどれくらい?進行を早める要因と遅らせる方法も解説

「歯がときどきシミる気がするけれど、まだ痛まないから大丈夫」「虫歯って放置すると、どれくらいのスピードで悪化してしまうのだろう」と、お口のトラブルや虫歯の進行に不安を感じたことはありませんか?
虫歯は一度発生すると自然に治ることはなく、気づかないうちに段階を経て悪化していく病気です。

この記事では、虫歯の進行度を表す5段階の分類(CO〜C4)や、研究データに基づく具体的な進行速度、進行を左右する4つの要因、そして進行を遅らせるための具体的なケア方法を詳しく解説します。
この記事を読むことで、虫歯がどのように進行していくのか、それを食い止めるためにどのような対策が有効なのかを理解でき、下記のような疑問や悩みを解決します。

この記事でわかる事

  • 虫歯の進行段階には、それぞれどのような特徴や違いがあるの?
  • 虫歯をそのままにしておくと、どれくらいの期間で悪化してしまうの?
  • 虫歯の進行を早めてしまう原因や関わっている要素とは?
  • 虫歯の進行を遅らせるにはどうすればいい?

虫歯の分類

虫歯の未処置歯の分類法はいくつかありますが、重症度に基づくCOからC4までの5段階分類法が一般的によく用いられています。
なお、C1とC2をまとめて軽度う蝕(Ci)、C3とC4を合わせて重度う蝕(Ch)とする分類法もあります。

CO(初期う蝕)

COはエナメル質の脱灰のみで、エナメル質は侵食されておらず、明確な齲窩の形成を認めない状態です。

C1(う蝕1度)

C1は表面的な小さな齲窩があり、充填処置により容易に治療を完了させられる状態の虫歯です。
具体的には、平滑面で歯科用探針がひっかかる虫歯や、歯科用探針が1㎜ほど入る虫歯などです。

C2(う蝕2度)

C2はC1よりも進行した虫歯ですが、根管治療の必要性までは認められない状態です。
視診や触診で虫歯の象牙質までの拡大や、歯根部の深さ2㎜程度の虫歯を認めるものを指します。

C3(う蝕3度)

C3は、C2よりもさらに虫歯が進行した状態です。
歯冠の20%以上が失われ、抜髄や断髄などの根管治療が必要となります。

C4(う蝕4度)

C4は虫歯の進行が著明で歯冠が広範囲に失われ、抜歯が必要となるほどのものです。

虫歯の進行速度

虫歯の進行は不可逆的です。
未処置歯を放置していると、確実に虫歯は悪化します。

学童期の永久歯の虫歯の進行速度の研究

朝霞市の小学校を対象とした研究では、

  • CO→C1:CO(白濁や褐色斑)は、1〜3割が2年以内にC1に進行
  • C1→C2:C1は、3割が6ヶ月、5割が1年、8割が2年でC2に進行
  • C2→C3:C2は、2割が6ヶ月、3割が1年、6割が2年でC3に進行

という結果が出ています。

島田義弘. 「学童永久歯における各種齲蝕性病変の進行速度と齲蝕検出基準についての研究」. 日本衛生学会雑誌. 1968年, 第18巻, 第1号. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jdh1952/18/1/18_1_15/_pdf/-char/en, (参照 2026-6-15)

乳歯の虫歯の進行速度の研究

乳歯の虫歯の進行速度について、イランの大学とイスラエルでの共同研究が行われています。こちらは海外での研究ですので、日本国内のCO、C1、C2、C3、C4という分類は用いられていません。
虫歯がエナメル質からエナメル質と象牙質の境界まで進むのに0.8年、ここから象牙質内部に進むのに1.4年という結果が認められたそうです。

Nili Tickotsky1Roy Petel 2Rabi Araki2Moti Moskovitz. Caries Progression Rate in Primary Teeth: A Retrospective Study. Journal of Clinical Pediatric Dentistry. Vol.41,Issue 5,September 2017 pp.358-361. https://www.jocpd.com/articles/10.17796/1053-4628-41.5.358, (参照 2026-6-15)

虫歯の進行に関係する要素

虫歯は、歯質、細菌、糖質、時間の4条件が揃うと発生し、これをニューブラン(Newbrun)の4つの輪とよんでいます。

微生物(細菌)

虫歯の発生には、ストレプトコッカス・ミュータンスやストレプトコッカス・ソブリヌスを主とする齲蝕原性菌も関与しています。
齲蝕原性菌は不溶性グルカンを中心としたプラークを形成し、歯面に強固に結合します。そこで産生された乳酸が歯面に停滞することで、歯の脱灰が生じます。

宿主と歯

齲蝕原性菌が産生する乳酸に対する、耐酸性の強弱も虫歯に関与しています。耐酸性の高い歯質の歯の場合は脱灰が生じにくく、耐酸性の低い歯であれば、虫歯の進行は速くなります。
歯質以外に、例えば小窩裂溝や歯列不正などの歯牙形態、唾液分泌量、唾液の緩衝能も虫歯の進行に関連しています。

食餌性基質

齲蝕原性菌は糖質を栄養源としており、それを分解する過程で乳酸を産生します。
食餌性基質は、口腔内の齲蝕原性菌の栄養源となる糖質を指し、糖質を摂取する機会が多いと虫歯の進行が加速します。反対に虫歯になりにくい抗齲蝕性食品の摂取の多い方は、虫歯の進行が遅くなります。

時間

糖質などの食餌性基質が口腔内に残存している時間や、歯牙が齲蝕原性菌が産生した乳酸に暴露される時間が長いと、虫歯の進行は加速します。
一方、残存時間や暴露時間が短いと、虫歯の進行は遅延します。

虫歯の進行を遅らせる方法

虫歯の進行を遅らせるには、虫歯の進行に関係する4要素をコントロールすることが大切です。
コントロールする方法は、ご家庭で取り組んでいただくセルフケアと、歯科医院で受けていただくプロフェッショナルケアに分けられます。

セルフケア

セルフケアの基本は、日々のブラッシングです。
歯ブラシで歯の表面を磨くだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助的歯面清掃用具も使い、歯間部分まで磨くことが大切です。これにより、口腔内の齲蝕原性菌の量を減らし、酸の産生量を低下させます。
また、食生活の見直しも重要です。間食の回数の多い方、糖分の多い飲食物の摂取の機会の多い方は、間食の回数を減らしたり、糖分の多い飲食物を減らし、抗齲蝕性食品を増やすなど食生活の改善を図りましょう。食生活の見直しを通して、食餌性基質の減少による酸の産生量を減らし、唾液の緩衝作用による酸の中和を促進させます。

プロフェッショナルケア

プロフェッショナルケアでは、まずスケーリング、ルートプレーニング、PMTCを行います。スケーリングやルートプレーニングでは、歯面に付着した歯石を超音波スケーラーやハンドスケーラーで除去します。
歯石は陳旧化したプラークが石灰化したもので、その表面は非常に粗造で、新たなプラークが付着する原因となります。これをプラークリテンションファクターといい、プラークコントロールを図る上で重要な処置のひとつに挙げられています。
PMTCは、歯科医師や歯科衛生士が専用の器械と研磨剤を使い、スケーリングやルートプレーニングが終わった歯面を滑沢な状態になるまで磨き上げる処置です。PMTCを受けた歯面は、滑沢になりプラークが付着しにくくなる、付着したとしても容易に除去できるようになります。
これらにより、口腔内の齲蝕原性菌の総数を減らすと同時に、新たな付着を防ぎます。同時にセルフケアを効果的におこなっていただくため、TBI(ブラッシング指導)も行います。
また、食習慣の見直しにも取り組み、食餌性基質の減少や唾液の緩衝作用によるpHの中性化を図ります。

【まとめ】虫歯の進行速度はどれくらい?進行を早める要因と遅らせる方法も解説

虫歯の進行段階ごとの分類や具体的な進行速度、進行に関わる4つの要素、そして進行を遅らせるためのケア方法について、詳しく解説しました。
この記事では、下記のようなことが理解できたのではないでしょうか。

この記事の要約

  • 虫歯は重症度に基づいてCO(初期う蝕)からC4(抜歯が必要な状態)までの5段階に分類される
  • 虫歯の進行は不可逆的で、放置すると確実に悪化し、学童期の永久歯ではC1からC2へ1年で約半数が進行するというデータもある
  • 虫歯の発生や進行には、微生物(細菌)、宿主と歯(耐酸性や唾液)、食餌性基質(糖質)、時間の4つの要素(ニューブランの4つの輪)が深く関係している
  • 虫歯の進行を遅らせるには、4つの要素をコントロールするために「毎日の適切なブラッシングや食生活の見直し(セルフケア)」と、「歯科医院でのスケーリングやPMTC、TBI(プロフェッショナルケア)」の両方をあわせて行うことが重要

虫歯は放置していても良くなることはなく、確実に進行して大切な歯を蝕んでいきます。しかし、虫歯が進行するメカニズムを正しく理解し、原因となる要素を適切にコントロールできれば、その進行を効果的に遅らせたり、予防したりすることが可能です。
「まだ痛まないから」と放置せず、日々の丁寧なセルフケアと定期的な歯科受診を心がけることが、将来にわたって健康な歯を残すことにつながります。

少しでも歯に違和感がある方や、ご自身に合った正しい予防に取り組みたい方は、ぜひ南青山パーソン歯科へご相談ください。
当院では、患者様お一人おひとりのお口の状態を丁寧に拝見し、最適な治療や予防プランをご提案いたします。お口の健康を守るパートナーとして、皆様のご来院を心よりお待ちしております。

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